Sonyのα9、α7シリーズの「小指あまり問題」を解消するグリップを紹介します。
α9、α7シリーズの小指あまり問題
Sonyのα9、α7シリーズを使っている人、使おうとしている人の多くが直面する「小指あまり問題」。ボディの小型軽量化の代償としてグリップ部が短くなり、小指がグリップからはみ出てしっかり握れない=カメラが不安定という問題です。
特にCanon、Nikonなどのレフ機の使用経験がある人はSonyフルサイズミラーレスのグリップに頼りなさを感じることが多いようです。
これはミラーレスの宿命かと思っていたら、2018年から相次いで発売されたCanon EOS R、Nikon Zシリーズはミラーレスなのにグリップの評判が良いんですよね。そこで各社ミラーレス代表としてSony α9とNikon Z7、Canon EOS R、レフ機代表としてNikon D850のグリップの長さ(中指がかかるところ~カメラ底部)を画像で比較してみました。
グリップ長の比較
機種 | タイプ | カメラ高さ | グリップ | vs α9 |
Sony α9 | ミラーレス | 95.6mm | 54mm | – |
Nikon Z7 | ミラーレス | 100.5mm | 59mm | +5mm |
Canon EOS R | ミラーレス | 98.3mm | 65mm | +11mm |
Nikon D850 | レフ機 | 124mm | 69mm | +15mm |
こうしてみると結構差がありますね。
D850→α9ではグリップ可能範囲が15mm(およそ指一本分)も減るわけで、これは違和感ありありでしょう。ミラーレスではCanon EOS Rが流石のデザインです。全体の高さは抑えつつレフ機に迫るグリップの長さ、グリップとマウントのクリアランスも十分あるため太いレンズを装着しても指が窮屈になることがなさそうです。
小指あまり対策
とはいえ私のメイン用途である子供撮りには、アホみたいな連写と瞳AF-Cの食いつき、高感度耐性に優れるα9が現時点ではベストマッチなので、こいつの小指あまり問題を何とかする必要があります。
ソリューションとしては以下の3つ
左から
- 縦位置グリップ(VG-C3EM)
- グリップエクステンション(GP-X1EM)
- 自作グリップエクステンション
縦位置グリップ(VG-C3EM)
グリップを約20mm延長します。高い(3万円)、デカい、重い(272g)、着脱が面倒、と四重苦なので、縦位置を頻繁に使うケース以外は必要ないと思います。私もこいつの出番は年に1~2回しかありません。
グリップエクステンション(GP-X1EM)
グリップを約20mm延長します。お値段そこそこ(1万円)重さもそこそこ(73g)なので、純正でグリップ延長を考えるならこちらでしょう。ただ机などに置く時に激しく斜めになることと三脚穴が潰れること、VG-C3EMより軽いとはいえそれなりに重量増があることがデメリットでしょうか。3.の自作グリップを作ってからは倉庫行きになりました。
自作グリップエクステンション
グリップを11mm延長します。(EOS Rと同じ65mmになる)GP-X1EMの不満点を解消する目的で作りました。軽量コンパクト(16g)で三脚穴も使え、ピークデザイン アンカーを取り付けるストラップ穴も開いています。机に置く場合も斜めになりにくいです。デメリットは純正でないこと、見た目ぐらいでしょうか。
まとめ
ぶっちゃけEOS Rのグリップはうらやましいです。
Sonyの小指あまり問題は昔からずっと言われているのでこのグリップ形状には何か理由があるのかもしれませんが、シェア争奪戦的にはかなり損をしていると思います。将来の機種で改善されることを期待します。まぁα9の唯一の不満点である小指あまり問題が解決されちゃったので次機種を買うかどうかはわかりませんが、、、
※α9II/α7RIVからグリップが改良されたようです。
・α7III/α7RIII/α9対応版
・α7II/α7RII/α7SII対応版 ・α9II/α7RIV対応版
コメント
「無いものは作ってみる」という行動力。私も実行しています。
α7ⅲを購入して小指あまり問題に直面して、それならばと自作することにしました。
現在4ステップ目の改良中です。
(1)Base-F(Full size)
最初に作ったのは、α7ⅲの底面の全面に17mm高のグリップを作成しました。17mm高は、Smallrig1089のサイズからから設定しました。
(2)Base-H(Half size)
ちょろずやさんの物とほぼ同じ、右手のグリップからカメラネジまで17mm高のグリップを作成しました。せっかくの小型カメラなのでグリップは半分ぐらいがちょうど良い感じです。
(3)Base-HA(Half+Arm)おじぎ対策
α7ⅲ+24105レンズを使用していますが、17mm高のグリップを付けるとカメラを置いた時レンズの重みでおじぎをしてレンズの先端やフードに負荷がかかります。その対策としてレンズの下に腕(Arm)を出してカメラを支えるようにしました。
一番のお気に入り、とても塩梅よく使っています。
(4)Base-HAQ(Half+Arm+200PL)ManflotのQuickリリース200PL対応
17mm高グリップのカメラネジに三脚のQuickリリースを付けると安定が悪くなります。そこで17mmのグリップ下部に10mmのQuickリリース200PL相当を内臓しました。
おまけ
予備バッテリーケースの作成
NP-FZ100単品はケースがありません。ショート防止と汚れ防止のため専用のケースを作りました。
たいしたものは作れませんが、ちょっと不便に感じた物を(Fusion360+Anycubic I3)で作っています。
コメント欄に写真が添付できないのが残念です。
はじめまして。α7c用を作る予定はありますか?
かぴさん
コメントありがとうございます。私もα7Cを購入しまして「こりゃだめだー」と思って既に延長グリップを作っています。もうすぐ公開しますので少々お待ちください。
かぴさん
α7C用の延長グリップについて記事を公開しましたのでよろしければご覧ください。
http://chorozuya.com/wp/colmuns/cg-a7c/